【総合化学・財閥化学】魅力や志望動機について考える【三菱ケミカル・住友化学・三井化学】

 

 

 

最初に

 

財閥化学メーカー、それは巨大化学メーカー

財閥化学メーカー、それは超広範囲の分野を網羅するメーカー

財閥化学メーカー、それは総合化学メーカー

財閥化学メーカー、それは三菱ケミカル住友化学三井化学

財閥化学メーカー、それは・・・

それは・・・・・

それは・・・・・

 

いや結局財閥化学メーカーってなんやねん。



それがピレンの感想であり、多くの人が持つ感想であり、多くの就活生が持つ感想である。

 

多くの就活生にとって、財閥化学メーカーは、区別が不可能であり、何をやっているのかよくわからず、志望動機を考えるのに嫌気がさすのであった。

 

 

              終
            制作・著作
            ━━━━━
             ⓃⒽⓀ

 

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財閥化学メーカーについて考えてみる

 

ここまでで短文の記事として投稿しようと思ったが、それはやめて、もう少し考えを記す。


このページで述べること



よくある一般的な利益の違いだとか
大まかな方針の違いだとか
会社の目標設定の違いだとか
IRレポートの記載から方向性を読み取るだとか、
そういったことはここでは記載しないです。

あまり大きな意味を持たないと思います。
そういったところを違いとして、そこが魅力なんですと面接官に訴えても声が届く気がしないからです。 

志望動機について

 

志望動機ですが、無理にこの財閥化学メーカー3社(三菱ケミカル住友化学、、三井化学)を切り分ける必要はないと考えています。

なぜなら、この3社はどれもやっていることが似ていて、広い分野を有していて、そこから利益を得るので、必然的にかぶります。

細かく見ると違いは当然ありますが、細かすぎて、就活生があえてそこに注目して志望動機として引っ張ってくるのは、いささか不自然です。

 

業界内の位置づけや魅力をしっかりわかっていて、あえて細かいところを述べるのは良いですが、働いた経験のない学生にはなかなか困難です。

 

だから、「総合化学メーカーの売りである、広い分野が、自分にとってはとにかく魅力的だった」、「異分野技術を重ねることも、開拓することも、ほかの化学メーカーよりも有利だと感じたんだ」

といった2点をごり押しするくらいで十分志望動機としては成り立ちます。

 

就活イベントでも財閥メーカーはよく就活生から質問を受けています。

 

就活生「財閥化学メーカー、三菱・住友・三井とありますが、それぞれの違いと、御社の強みを教えてください」

 

財閥化学メーカー様のリクルーター一同「財閥化学メーカーは総合化学メーカーであるので、一概に区別は難しく、強みはどの企業もほぼ同じ、となります」

 

就活生「話にならねえ、くそが(大変貴重なご意見ありがとうございました!)」

別の就活生「ちょちょちょ、心の声、逆逆ぅぅぅぅ~!」

 

といった就活生の納得がいっていない瞬間を大変よく見ます。

 

ですが、これはしょうがないことで、本当に区別が難しいというか、あえて細かい区別をするのが不自然なのでこうなってしまうのです。

 

それでは志望動機をどうするか?

 

個人的には、面接でも、あえて財閥化学メーカーとの違いを理解しているか確認されることや、どうしてこの財閥化学メーカーから選んだのか?といったことはあまり聞かれることがなく、それ自体意味がない質問と考えていますが、

 

ただ、自分が就活する上で、面接する上では、ある程度納得して、軸を持って、一つの信念を持った状態で臨むほうが、面接官に響くものをぶつけられると思いますので、

やっぱり細かいところでも違いを理解して、自分の考えとして持っておくべきと考えています。

 

ここでは、ピレンが考える、それぞれの魅力を述べます。

細かいところにはなるのですが、自分の信念として、自分の軸になり得ることについて記します。

 

三菱ケミカル

 

売り上げNo1の三菱ケミカル様。

ここは売り上げが最大ですので、「日本一が魅力的だ」、「世界で戦うには日本一の企業が良いんだ」、でもよいと思いますが、それ以外を記します。

 

三菱ケミカルの技術で調べると、DURABIO、といった名前がhitするかと思います。

 

このDURABIOは商標で、三菱ケミカルが開発したエンジニアリングプラスチック(ポリマー)のことを指します。

 

ネットで調べるとわかるのですが、こちらは独自のモノマーを開発して、そのモノマーをエンジニアリングプラスチックに適用しています。

 

一般に、新しいモノマーから開発してポリマーにして商売することは非常に難しいです。

基本的には既存のモノマーを組み合わせてポリマーを作るので十分事足ります。

さらに、モノマー開発となると十分な量が売れないと投資回収もままなりません。

 

そのポリマーが超特殊用途で、超高付加価値なら、少量で利益が出るので、難易度は下がるかもしれません。

 

しかしこのDURABIOは幅広い分野に展開する汎用品と謳っています。
汎用品で、新しいモノマーから開発し投資回収・・・・

どれほど難しいことか、よくわかると思います。

 

更にこのDURABIOのモノマーはバイオ由来となり、

次代の流れに、大変マッチしています。

 

この技術をうまく志望動機につなげてもよいでしょう。

話し方は工夫しないといけないですけどね。

冒頭でも述べた通り、基本的には総合化学メーカーを志望していて、その中でも魅力に感じたのがこの技術で~~~といったように、おまけ的な位置づけで話すのがベストです。

 

住友化学

 

続いて売り上げ2位の住友化学様。

 

ここは、総合化学メーカー3社の中でも、農薬事業が強いです。

農薬が強いということは、有機合成が活かせるというところ。
第二次世界大戦直後にアメリカと競って農薬を売り出すといった、強い技術とマインドも魅力です。

 

農薬については簡単にyoutubeで動画出しています、良ければ参考にどうぞ。

https://www.youtube.com/watch?v=_1vYQ0oaYVA&t=182s

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有機合成をやっていた人は、農薬事業が強く、そこで貢献したいと推すのが良いです。
三菱ケミカルの欄でも記載したのですが、新しいポリマー開発で、新しくモノマーを生み出すことはあまりしない、というかできないので、有機合成を活かせる場所は限られます。

 

医薬農薬が有機合成を活かせる花形になりますので、その領域を志望するのは至極当然の流れです。

 

その他の強みとしては、ピレンの感覚になりますが、財閥化学メーカーの中では高付加価値製品の開発に強いと思います。

液晶や、有機ELスマホの分野で活躍しているのでネットで調べてみてください。

高付加価値製品に強いというのは大変に魅力的です。

それだけとがった技術を有しているということで、これからの時代、企業の研究職にとってはとがった技術こそが求められると思います。

 

三井化学

 

最後に三井化学様。

 

ここは3社の中でも、強みがウレタンやオレフィン樹脂といった基礎化学品に寄っていると思います。

世の流れを考えると、基礎化学品よりも高付加価値製品に強い方が好ましいと思いますので、あまり基礎化学品に強いところを魅力として挙げるのは不自然です。

 

ただ、やはり大きな会社なだけあって、ニッチな領域における強みも持っています。

 

例えば、シクロオレフィン樹脂を有していて、これは三菱・住友にはない(少しはやっているのか?よくわかりません)強みです。

 

シクロオレフィン樹脂は、比較的耐熱性があって、吸水性が低いなどと、ほかのエンプラと区別できます。

スマホに採用と、高付加価値の流れが来ており、三井化学の強みとなっていくと思います。現に今増産体制を整えているかと思います。

 

ちなみにシクロオレフィン樹脂の話を挙げると、どうして日本ゼオンではないの?となります。

日本ゼオンもシクロオレフィン樹脂の事業を持っているからです。

まあそれは、これに限ったことではなく、全ての志望動機に言えるところで、基本的には何かを主張すると、別の企業でもいいよねとなります。

ですので、主張前には、何で何で?と自問自答し、納得のいく主張(志望動機)を作ってください。言い過ぎた志望動機は危険ですのでご注意を。

 

あとは、ニッチ領域だと、眼鏡の樹脂に非常に強いです。

いかに眼鏡のレンズを薄くするか・・・といった樹脂の開発にたけています。

MRシリーズと呼ばれているチオウレタン樹脂です。
三井が強いウレタン樹脂技術を上手く高付加価値品に展開できた例だと思います。
推測なので実際のところはどうかわかりませんが。

ここも今後伸びる理由がいくらでも考えられますよね。

 

ですので、自分が三井化学を受けるなら、「総合化学メーカーかつ、ニッチ領域の技術に強くそれなりのスケールで樹脂を出している」といったことを主張するのだと思います。

(それが実際に利益を出しているかは別として・・・、三菱や住友より、大きいスケールで高付加な樹脂を出しているイメージ、そういった点が自分にとっては大事、それが今はどうか別として、今後伸びる上では大事・・・・といった潜在的な認識を持ったうえで面接に臨むのだと思います。自分なら。)

 

最後に

 

ところで、このように志望動機を考えていくと、完ぺきなものができた、自分の主張は正しく、間違いはない・・・という風に感じてしまう、勘違いすることが多々あります。

しかし、これは大変危険で、面接官に見抜かれてしまうとまずいことになります。

基本的には自分は学生で業界のことをよくわかっていない、相手は研究職のプロでその業界に長く携わり一日中その業界の浮き沈み、今後の方針、将来性を気が狂うほど考えていますので、まるっきり立場が違い、はなからこちらの主張が相手に響くことはありません。

面接の志望動機を伝える場面では、相手に主張の正しさで響かせるというよりも、そこそこ納得のいく知識と考えで、自分の将来性を相手に伝えることが目的です。

この就活生は、「何か違うかもしれない、考え方としては正しい、企業に入った後もよく考える可能性がある」、と思わせることが、目的です。

 

前提と目的をはき違えると、ただとんちんかんで思い込みの強い、無知を自覚できていない学生になり下がりますのでご注意を。

 

ここまで長く述べたうえで大変恐縮ですが、

総じて財閥化学メーカーの面接における志望動機を、あえて区別化して考えるメリットというのはあまりないです。

ただし、「面接官に一発かますこと」、「納得して自分の軸を用意して面接に臨むこと」の2点のために準備する意義があります。

 

以上、ここまでありがとうございました。

 

今日も化学が大好きです!

ピレン

 
最近作成した動画です。
勢いが気に入っています。就活の息抜きにどうぞ。

https://www.youtube.com/watch?v=u4XHsQluCy8

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