【有機化学】研究室所属後の大学学部生・大学院生おすすめ勉強法
研究室所属後は、基本的には研究第一であり、基本的な勉強については教官からとやかく言われることはありません。
言われないからこそ、研究室所属期間中にどのように自主的に勉強するかが大事となります。
研究をするにしてもゼミで論文紹介をするにしても、基礎がないと理解は進みませんので、この期間にしっかり叩き込んでおきましょう。
下記にピレンがした勉強法を紹介します。
ピレンやピレンの周囲の人をふまえると、「下記のレベルの勉強をしていればゼミや、企業で困ることはない・・・・」はずと思われます。
まずはお勧めの参考書を紹介します。
お勧め参考書
ボルハルト・ショアー
有名な本ですね。
ボルハルト・ショアーがすごい良い、ってわけでも無いのですが導入のレベルにはちょうど良いかな、と。別にボルハルトショアーでなくとも良いです、同じくらいのレベルかつ情報量のある本であればなんでも良いかと思います。
上下ですのでそれなりのページ数になります。
おそらく大学の定期試験には十分対応できるレベル、といったところでしょうか。
ウォーレン
超良書です。情報量多いのですが間違いなくわかりやすい。
ただし、何もベース知識がない段階でとりかかるとしんどいですので、上記に挙げたボルハルト・ショアー(またはそれに準ずるレベルの本)を読んでからがおすすめ。
修士であれば、こちらの内容は必須です。ボルハルトだけだと少し物足りなさげです。
ちなみに、ピレンはウォーレンを愛しています。
ウォーレンへの熱い思い、「愛」は下記に記しています。
大学院講義有機化学
ウォーレンがいかに良書といっても、それだけを延々とやっていれば十分といったわけではないです。やはりウォーレンだと網羅はしきれないです。
更に細かいところを勉強するためには大学院講義有機化学がおすすめです。ウォーレンレベルを読んでおけばそこまで内容理解に困ることはないかなと思います。
内容は結構偏っていますので、全体を理解しようとするためにこの本を選ぶのはおすすめできません。
あくまで、更に細かく掘り下げるために読むと良いと思います。
勉強のスケジュール感
じゃあ、「これらの本をどういったスケジュール感で実施していくのか」、という話になります。
ピレン自身は、
B4の冬までにボルハルトショアー2周⇒M1の冬までにウォーレン2周⇒M2修了までに大学院有機化学+α
といったペースでやっていました。
しかし、これでは全く最近の有機反応の知識が入ってきませんし、インプットばかりの勉強になります。
ですので、そこでゼミを有効活用するわけです。
ゼミによって最近の論文を読みながら、アウトプットの練習をすると、習得した知識も生かせるのではないでしょうか。
ゼミでは引用文献含めて1回あたり20~50報読むと、「少なくとも大企業研究職の基礎力」くらいは養えるかなと思います。
(論文紹介については詳しくは下記に記しています)
ということで、全体のスケジュール(B4~M2)はこんな感じでピレンはやっていました。
ピレンの場合、有機化学を学部で殆どやっていなかったので、B4のうちはボルハルトショアーレベルをやる羽目になっていました。
学部で有機化学をやっていれば、もう少し発展レベルをつめこめたのですが・・・。
ボルハルトショアー(大学院試験レベル)をB4のうちに少なくとも理解し、ウォーレンまたは、それと同等の内容の書籍に移るとよいですね。
一応研究室のコアタイムが9:00-22:00であってもそんなに苦なく、上記はできるスケジュール感になっています。
自分で言うとかなりかなりかなりうざいですが・・・、
一応これくらいの勉強をしていれば・・・・、
研究室で指導教官やドクターとも議論はできるし、
ゼミで周囲をひきつけることができ、
新規研究テーマの立案し教授に採択してもらうことや、
大企業研究職においても困らない基礎力を養える
と思っています・・・。
とはいえ、もう少し勉強法にも工夫が必要だったかも。。
定期的に見直しをしても良かったかもなあ。
一つのベンチマークとして頂ければ、と思います。
これから勉強する方こちらはいかが?
大学の有機化学に出てくる反応「27+α種類」をまとめて一気に下記の動画で説明します。
大学有機化学を一気に学べる動画はほぼ無いと思いますので、是非どうぞ。
こういった分野が非常に広いものは、気合を入れて一気に学ぶのがコツだと思います。 長期にわたって少しづつの勉強は個人的にはお勧め致しません。
https://www.youtube.com/watch?v=y4s3kVZ4hdQ&t=77s
【お勧めの勉強法】
1.この動画14分を見る
2.ボルハルトショア―など大学教科書を見る
3.もう一度この動画を見る
4.不明点をボルハルトショアーで確認する
5.この動画のタミフル合成法を学ぶ(この部分を理解できるようにすると、論文紹介のイメージがつく)
6.タミフル合成法の不明点を教科書・ネット・論文を用いて調べながら理解する
7.有機化学の論文を何か選び読んで勉強する
※この勉強法を試した人、是非感想をください。
私が見込んだ通り効力のある勉強法なのか、独りよがりの勉強法なのか、気になって夜も眠れません。
また、肩ひじ張らずに軽く有機化学に触れてみたい方はこちら。
https://www.youtube.com/watch?v=RGzTmbhczKA
次のステップの勉強方法
次のステップの勉強法をご紹介します。
基本的な化学を学んだ方は是非下記をご覧いただければ。
終わりに
僭越ながら勉強法紹介いたしましたが、真似する必要性は全くありません。
参考にしていただければ幸いです。
以上、【有機化学】研究室所属後の大学学部生・大学院生おすすめ勉強法、でした。
今日も化学が大好きです!
ピレン
ピレンちゃんについて詳しく知りたい方は下記もどうぞ!
良ければtwitterもどうぞ!論文の紹介をしています。
還元的アミノ化方法の比較検討に関する報告。
— ピレンちゃん@研究職_化学 (@pyrene_chemist) 2020年3月7日
H2、Pd / C、水素化物試薬である[NaBH4、NaBH3CN、NaBH(OAc)3]、CO / Rh2(OAc)といった還元剤検討し、利点と欠点をグリーンケミストリーの観点も含めて比較しています。
還元的アミノ化する際に参考になりますね。 https://t.co/FGYoJH7pSC